ソーシャルレンディング匿名化廃止とその影響 <初心者にもわかりやすく解説>

 

貸金業法に基づき、「お金を借りた相手の名前」や「案件の詳しい情報」が公表されないソーシャルレンディング。

しかし、2018年6月、金融庁の規制改革により、2018年度以内にソーシャルレンディングの匿名化が廃止されることになりました。

これにより、今後は「借りる側の情報」や、「不動産ファンドの詳細情報」などが公開されていくことになると考えられます。

匿名化の廃止により、投資家にはどのような影響があるのでしょうか?

匿名化廃止のメリット・デメリットについて解説していきます。

(参考:http://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/suishin/publication/180615/keikaku.pdf)

 

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そもそも「匿名化」とは

 

ソーシャルレンディングにおける「匿名化」とは、

  • お金を貸す相手の企業名が公表されない
  • ファンドの具体的な内容が公表されない

一般的に、上記2つのことを指しています。

例えば、事業性ファンドの内容なら「借り手は飲食店チェーン経営」などのように、大ざっぱな情報しか分かりませんでした。

不動産ファンドなら、相手企業が取り扱う物件について、

  • どの都道府県にあるのか
  • 周辺環境はどのような感じなのか

ということしか分からず、物件の所在地などは一切明かされていませんでした。

 

なぜ今まで匿名化されていたのか

 

ソーシャルレンディングで匿名化されていた背景には、冒頭でお伝えした通り、貸金業法という法律があります。

貸金業法では、お金を借りる人を保護するために、借り手の名前や情報は公開してはいけないと定められています。

もし借り手のことが分かっていれば、万が一借り手が返済できなくなったとき、お金を貸す側(この場合は投資家)が借り手に圧力や不当な危害を加えるおそれがあったからです。

しかし、ソーシャルレンディングでは、現在にいたるまで、投資家が借り手に危害を加える(加えようとした)という事態になったことはありません。

 

そのため、「もう匿名化は必要ないのでは」という指摘があったため、今回匿名化を廃止する運びになったとのことです。

ちなみに、今後は上記のような事態が発生した場合のために例外事項を設けるなどしながら、匿名化廃止の動きに持って行くようです。

 

匿名化廃止のメリット

 

基本的に、今回の匿名化廃止は投資家にとって有利なことだと思います。

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お金を貸す相手のことがよく分からずモヤモヤしていた投資家にとっては、特に喜ばしいことでしょう。

では、匿名化廃止のメリットを2つご紹介します。

 

メリット① より納得した上で投資できる

 

今後は案件の詳細が明らかになるので、投資家は事業内容などにも納得した上で投資することができます。

例えば、不動産ファンドなら、物件の所在地、部屋数、稼働率(賃貸されている部屋数)、駐車場の有無などの情報が開示される可能性があります。

これにより、ある程度ファンドの安全性を自分で判断することもできますよね。

ただ、実際にどの程度情報が開示されるかは、ふたを開けてみないと分かりません。

ソーシャルレンディング事業者によっても差異が生じると思うので、今後の展開に注目しましょう。

 

メリット② 虚偽ファンドが出回る可能性が減る

 

2017年、ソーシャルレンディングサービス「みんなのクレジット」で、借り手の情報を偽って親会社のために資金を募集するという事件がありました。

みんなのクレジット株式会社とは関係ない企業が資金を募集しているように装い、実際は、集めたお金を親会社に流していたということです。

もし借り手の情報が公開されるようになれば、このように、ソーシャルレンディング事業者が虚偽のファンドを公開しづらくなります

 

匿名化廃止のデメリット

 

一見投資家にとっては有利な匿名化廃止ですが、いくつか懸念すべきこともあります。

匿名化を廃止すると、どのようなデメリットがあるのでしょうか。

 

デメリット① 名前を公開したくない企業が離れていく

 

企業によっては、「自社の名前を公開しながら資金募集したくない」というケースもあるでしょう。

そのような場合、いくつかの企業がソーシャルレンディングでの借り入れをあきらめてしまう可能性があります。

匿名化を恐れる企業に多額のお金を貸しているソーシャルレンディング事業者は、思わぬ痛手をこうむるかもしれません。

もちろん、すべての企業が匿名化を嫌うわけではないと思うので、今後どうなっていくのかよく観察していきたいところです。

 

デメリット② 自己責任の割合が大きくなる

 

ファンドの詳細に納得した上で投資できるということは、逆に言えば、自己責任の割合が大きくなるということでもあります。

もともとソーシャルレンディングは、投資金が必ずしも返ってこないことが前提ですが、各事業者は、それを見越して投資家の損失をカバーしようとさまざまな手段を講じています。

しかし、自己責任の割合が大きくなれば、そのようなサポート体制がだんだんと縮小していくことも考えられます。

今後はより一投資家としてベストな判断ができるよう、ソーシャルレンディングの知識をしっかりと身につけていきましょう。

 

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