ソーシャルレンディング『為替リスク』『為替予約』を知る

 

ソーシャルレンディングで資産運用を行っていて「海外の案件には為替リスクがあるから気をつけましょう」という話を目にしても、実際にどう対処したらよいのか知らないという方も意外に多いかもしれません。

本記事では、もう為替リスクのことで悩む必要がなくなるよう、例を出しながら具体的な対処法を解説しています。

 

為替リスクとは

為替リスクとは、国同士で為替レートが変動し、金銭の価値が変わることで生じるリスクのことです。

例えば、「1ドル=100円」という為替レートが「1ドル=120円」に変動すれば、ドルの価値は上がっているということになりますよね。このような変動により、様々なリスクが生じる場合があります。

為替リスクは、海外通貨を取り扱う案件のみに関係してきます。ソーシャルレンディングの海外案件のほぼすべてが円と外貨で取引されているので、海外案件には、必ずと言っていいほど為替リスクが存在します。

 

為替リスクがソーシャルレンディングに与える影響

ソーシャルレンディングでは、為替リスクを誰が負うのかは事業者によって異なります。それにより投資家が取るべき対策も変わってくるので、ソーシャルレンディング事業者を選ぶ際は、「為替リスクを負うのは誰なのか」を必ず確認しましょう。

 

投資家が為替リスクを負担しなくてよい場合の対策

ガイアファンディング、アメリカンファンディングなどの事業者が該当します。

この場合、投資先企業や仲介事業者などが為替リスクを負担する場合が多いので、為替変動のせいで直接投資家に負担がかかることはありません。

 

投資家が為替リスクを負担する場合の対策

クラウドクレジット、クラウドリアルティなどの事業者が該当します。

この場合、仮に想定される最悪の数値まで為替が変動したとしても、そこで出た損失を回収できる利回りが期待できなければ、最終的に損をしてしまいます。そのため、なるべく高利回りの案件を探す必要があります。

投資家が負担する為替リスクをなるべく低減するために、事業者や案件によっては「為替ヘッジ」がついている案件もあります。
為替ヘッジについては、以下の項目で詳しく解説します。

 

為替ヘッジとは

為替ヘッジとは、「為替リスクによる負担を軽減するための措置」のことで、新聞などでよく見かける言葉です。本来、ヘッジ(hedge)は「防止策」という意味です。

では、為替ヘッジとは、具体的にどのようなことをするのでしょうか。これが理解できていれば、自分で考えながら為替リスクを最小限に抑えることができます。

 

為替ヘッジの手法「為替予約」

一般的に、為替ヘッジでは「為替予約」という方法を使います。

為替予約とは、「手数料を支払い、一定のレートで外貨を交換できる権利を予約すること」です。つまり、どんなに為替レートが変動しても、例えば「1ドル=100円」など、あらかじめ決めておいたレートで取引できるようにしておくということですね。

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為替予約のメリット

例えば、日本のA社が、「1か月後にアメリカのB社から1万ドル受け取る」という契約を結んだとします。そして、このときの為替レートは「1ドル=100円」だったとします。

1か月後も同じレートのままなら、A社が受け取ることができるお金は以下の通りです。
1万ドル×100円=100万円

しかし、もし1か月後に為替レートが「1ドル=80円」になってしまったら、A社が受け取ることができるお金は以下の通りです。
1万ドル×80円=80万円
同じ契約内容なのに、当初の予定より20万円も利益が少なくなってしまいます。

では、同じ契約内容でも為替変動によって損をしないように、為替予約するとどうなるでしょうか。

1か月後も「1ドル=100円」で取引できるように為替予約したとします(実際のレートが1ドル=80円でも100円に換算して取引してもらう予約、という事です)。ただし、為替予約には手数料がかかるので、実際のレートは「1ドル=99円」とします。

すると、A社は1万ドル×99円=99万円受け取ることができます。為替予約していないときの損失は20万円でしたが、為替予約すれば、手数料を払ったとしても、損失を1万円に抑えることができます。

 

為替予約のデメリット

これだけ見ると、とにかく為替ヘッジがついている案件の方がいいと思うかもしれません。しかし、為替予約には2つのデメリットがあります。

まず1つ目ですが、為替レートが変わらなかった場合でも、為替予約の手数料をとられてしまうことです。

将来為替レートが変わらなければ、手数料を無駄に支払うことになります。また、「1ドル=100円」から「1ドル=120円」など、投資家にとって都合のよい変動があった場合でも、為替予約していると、その差分利益を受け取ることができません。

 

2つ目のデメリットは、為替予約の権利を失う場合があるということです。
通常、為替予約は為替ヘッジ事業者を介して行いますが、その為替ヘッジ事業者が倒産してしまった場合、為替予約の権利を失ってしまうことがあります。

そのため、為替による損失が怖いからといって闇雲に為替ヘッジつきの案件を選ぶのではなく、

  • 為替変動が起きても、利回りなどで損失を最小限に抑えられるのか
  • 事業者は、為替ヘッジ事業者が倒産した場合の代替策を用意しているのか

この2点を、ポートフォリオや事業者のページなどから判断するように心がけましょう。

 

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