ソーシャルレンディングで返済遅延は起きるのか <基礎知識から対処法まで解説>

 

ソーシャルレンディングでは貸した資金が借り手の返済遅延によってなかなか返って来なくなる事があり得ます。ただ、それはあくまで可能性の話です。基礎知識や対処法を知っていれば「投資リスクの一つ」と考える事ができます。今回はソーシャルレンディングの返済遅延について解説をしていきます。

 

ソーシャルレンディングでも返済遅延は起きる

返済遅延とは、言葉通り「期限までにお金を用意することができず、返済が遅れること」を意味します。ソーシャルレンディング事業者によっては「延滞」などの言葉を使っているところもありますが、基本的に意味は同じです。

ソーシャルレンディングでは返済期日が明確に決められているので、当然返済遅延が発生する可能性はあります。

貸し倒れほどリスクは大きくないかもしれませんが、返済日を複数設けるために分散投資している投資家にとっては、返済遅延も無視できないリスクのうちの1つでしょう。

返済遅延は、収益の低下や事業開発の遅延などが原因となることがほとんどです。

しかし、投資先企業の詳細情報が開示されないソーシャルレンディングでは、企業の細かい収支状況などを知るのは難しいので、投資家が企業の返済能力を事前に判断しづらいことも多いです。

そのため、「返済遅延はどんな企業でも起こりうるから油断できない」と考えておいたほうがよいでしょう。

 

返済遅延が起きたら投資家はどうなる?

返済が遅延した場合、その後の展開は「遅れた後に無事完済」、「貸し倒れになる」、「完済も貸し倒れもしない」の3つのパターンに分かれます。

 

無事に完済される場合

元本と利息の両方が返済されるので、金額の面だけ見れば投資家は損をしません。

 

貸し倒れになる場合

何度も返済遅延が発生し、最終的には返済できず貸し倒れが発生します。

貸し倒れが起きると、元本すべて、または元本の一部が投資家の手元に返ってこない可能性もあります。

ただし、ソーシャルレンディングでは1つの案件で複数の企業が資金を募集していることが多いので、たとえそのうちの1社が貸し倒れになったとしても、他の企業がきちんと返済してくれることもあります。

その場合は、投資家にとって黒字が出ることもあります。

 

返済も貸し倒れもしない場合

返済期日を過ぎても貸し倒れにならず、かといって完済されることもありません。

これは、「○回返済遅延が起きたら貸し倒れにする」などの貸し倒れ基準を設けていない事業者もあるからです。

いつまでも投資金が返ってこないので、投資家にとっては最も避けたいパターンかもしれません。

 

ちなみに、返済遅延期間中は、「金利のみが支払われるパターン」、「元本も金利も返済されないパターン」の2種類があります。元本も金利も返済されない場合は、実質的な利回りが下がってしまいます。

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例えば、1年間で利回り10%の企業が延滞したとします。その企業が返済遅延期間中に元本も金利も返済してくれなかった場合、たとえ半年後に返済が完了したとしても、実質的な利回りは5%と同じことになってしまいます。

 

ソーシャルレンディングで実際に起きた返済遅延

返済遅延はmaneo、SBIソーシャルレンディング、クラウドバンク、クラウドクレジット、AQUSHの5社で発生していますが、いずれも完済されています。

maneoの例では、2017年3月28日に返済遅延が発生し、その直後社長ブログで「正直言うと、あまり心配していない融資先でしたが、この度、元利金の支払いが延滞したということで、どのような実態であったのか、現在は状況の把握に努めています」とのコメントがありました。

このように、投資のプロですら予測できない返済遅延が発生することもあるのですから、やはり「どの企業でも返済遅延のリスクがある」と考えて投資したほうがよいでしょう。つまり、「まだ返済遅延が起きていないソーシャルレンディング事業者を探そう!」というよりも、「返済遅延が起きたときにどんな対応をしてくれるのか」という基準で事業者を選んだほうがよいということです。

ちなみに上記のmaneoの件では、すぐに担保を売り払って投資家への返済に充てることで、事業者が投資家への実害を限りなく減らしていました。その結果、投資家への実害は「返済完了日がズレた」程度に抑えられました。

このように、事業者側が迅速かつ慎重に対応すれば、返済遅延が起きても投資家への被害は少なくて済みます。

 

返済遅延のリスクを減らす方法

 

分散投資する

返済予定日が異なる複数の案件に投資しておけば、万が一1つの案件で返済遅延が起きても、他の案件で元本を取り戻す機会が増えます。

 

毎月分配型の案件に投資する

毎月分配型の案件では、返済完了予定日に一括で元本が返ってくるのではなく、毎月ごとに元本が少額ずつ返済されます。

そのような案件であれば、万が一返済遅延が発生しても、発生前までの月にある程度元本を回収できているので、投資金全額を拘束されずに済みます。

ただし、毎月分配型には、「元本と利息を毎月分配」と「利息のみ毎月分配」の2種類があるので注意が必要です。拘束される投資金を減らすには、元本も毎月返ってくる方式でなくては意味がありません。

毎月分配型の案件は、以下の会社などで取り扱われています。

  • クラウドクレジット:コンスタントに毎月分配型の案件を公開中
  • クラウドバンク:毎月分配型の案件が中心
  • SBIソーシャルレンディング:低い利回りだが毎月分配型の案件あり

 

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